カンヌライオンズPR部門の審査員は何をするのか?
カンヌライオンズの審査方法
カンヌライオンズのアワードの審査員には、どの部門もショートリスト審査員と現地審査員の2種類があります。ショートリスト審査員は文字通り全体のエントリーから受賞候補を絞り込むショートリストをつくる人々、現地審査員はショートリストの中から、グランプリ、ゴールド、シルバー、ブロンズという各受賞作を話し合って決める人たちです(現地審査員はショートリスト審査も行う)。ショートリスト審査員は事前にオンラインで各応募作の確認から採点まで行います。
審査員はエントリーシートとケースフィルム(応募作品の概要を約2分の動画にまとめたもの)を見て、1から9点で採点します。1から3点が「これはちょっとないよね」、4から6点が「見どころはあるのでショートリストに入れてもいいかも」、7から9点が「なんらかの賞をとってもいいんじゃないか」というのがだいたいの基準です。
- ショートリスト審査員と現地審査員の2種類
- 賞候補を絞り込むショートリストをつくる人々
- グランプリ、ゴールド、シルバー、ブロンズという各受賞作を話し合って決める
審査員はエントリーシートとケースフィルム(応募作品の概要を約2分の動画にまとめたもの)を見て、1から9点で採点します。1から3点が「これはちょっとないよね」、4から6点が「見どころはあるのでショートリストに入れてもいいかも」、7から9点が「なんらかの賞をとってもいいんじゃないか」というのがだいたいの基準です。
カンヌライオンズの審査方法
日本からのエントリーは、例年と比べても少なかった
審査のステップや基準は、同じ主催者の「Spikes Asia」(カンヌライオンズのアジア・パシフィック地区版)とほぼ同じですが、カンヌよりエントリー数が少ない「Spikes Asia」ではショートリスト審査員と現地審査員の区別はなく、全審査員が両方を務めます。
- 全体的な評価
アーンドメディアの活用が話題化の中心にある - 講評セッション
社会をよりよくすることに貢献している、シリアスなテーマであっても、楽しめる表現が用いられている、新しい技術が有効に取り入れられている - 今年の評価ポイント
シリアスなテーマであっても、楽しめる表現が用いられている
まず、残念ながら日本からのエントリーはいずれもショートリストに入れませんでした。そもそも日本からのエントリーは、例年と比べても少なかったようです。
全体的な評価については、審査結果発表後に行われた審査員による講評セッション(デブリーフ)等の話をまとめると、以下のポイントが考慮されたようです。
カンヌライオンズでは、PRを含み全部で29部門もある中で、各部門の審査員が自部門ならではの評価軸を持つことに苦慮しており、特に上記1はPR部門としてのアイデンティティーだったと思います。ただ、ショートリストに残るような施策は、いずれもマスメディアやソーシャルメディアでも注目されていますので、それだけで差別化することはなかなか大変だったのでは?と推察しています。
全体的な評価については、審査結果発表後に行われた審査員による講評セッション(デブリーフ)等の話をまとめると、以下のポイントが考慮されたようです。
もちろんアイデアやストーリーの作り方も素晴らしいのですが、刑務所との調整、法務大臣をはじめとする司法関係者の参加といった、おそらく相当高いであろうハードルを乗り越えて施策を実現したことが、何よりすごいと思いました。現地審査員からも「どうやって実現させたか知りたい」というコメントがありました。また、多額の投資を必要としない施策であり、ベルギーだけではなく、世界各国の(もちろん日本も)刑務所で採用されればいいなあと思っています。